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鍵は俊輔が握っている
~「単独者」の思想~
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Sport Philosophy
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鍵は俊輔が握っている
~「単独者」の思想~
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正念場となった。2010年FIFAワールドカップ日本代表対デンマークの試合が、
24日20:30にキックオフ!(日本時間25日3:30)
日本はこの闘いに引き分け以上で、決勝トーナメントに進める。1998年フラ
ンス大会に初出場した日本は、3戦3敗。しかし、時の岡田監督が目標にかか
げたのは、一勝一敗一分であった。まさに12年後にこの目標が達成されるかも
知れない。オシムジャパンのはずだったこのチームを岡田が率いていることも不思
議なことである。岡田が監督になった所以が、今日の試合の結果で明白にな
るだろう。
対カメルーンでは、本来のポジションでないワントップのFWを本田は演じきり貴
重なゴールを頂いた。しかし、対オランダでは本当のFWをやってしまい、違うチー
ムを作ってしまった。まったく新たな陣を敷くかと密かな期待をよせていたが、岡
田は全く同じメンバーで臨み、本田を変えてしまったようだ。
後半、点を取りに行くために俊輔が登場した。オシム、岡田路線でも俊輔の
チームが実現するはずだったが、今や本田が主役に見える。俊輔が出た瞬間
から、俊輔にパスが集まるかと思っていたが、そうならずに俊輔の回りをボールが
回る。闘莉王からのヘッドパスをミスし、怒鳴られる俊輔を見て、荒野を思った
のは私だけだろうか?
なぜか?「日本らしい」サッカー、日本人にしかできないサッカーを目指して再
出発を切った2006年から俊輔はその中心にいた。スピードある走りとスピードあ
る思考、器用さと器用さを生かすセンス。それはオシムがはっきりと示してくれた
ものだったが、それまでの日本サッカーの歩みを収斂したものでもあった。その意
味でレジテマシーを有した闘いだったのだ。
オシムが俊輔についてその卓越性と唯一性を認めながら、サッカーの哲学を変
えなければならないと言うのは、自分のサッカーが日本のサッカーであるためには
どうすればいいかの思考である。
オランダ戦、後半に投入された俊輔は本田ジャパンの中で四面楚歌状態に
見えた。その中で、自分のサッカーを貫くことは強固な意志が必要だ。これまで
の俊輔にはそれを見出すことが難しい。
デンマークは、私の敬愛する哲学者ゼーレン・キルケゴールを産んだ国である。
現世的欲情に支配された19世紀の欧州に警鐘を鳴らした。彼の貴重な概念
「単独者」とは、世界すべてに対して一人立つものである。皆がそういうから、そ
うだ。この空気読めよ!の真理「一人きりなること」で真理が見えてくる。
実力差があるチームとの闘いでは、守備的な戦略が常道、類希なサッカーセ
ンスで日本代表を日本代表たらしめてきた中村俊輔が、岡田ジャパンで「一人
きりになること」を学んでいる。
デンマークにきつい一発を放つことができるのは、「単独者」俊輔であると思う
所以である。
(敬称略)
2010.6.24
明日香 羊