vol.266

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  孤独こそパワーの源
  ~団結心を超える秘密~
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   Sport Philosophy
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  孤独こそパワーの源
  ~団結心を超える秘密~
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 「なぜ、ベスト16なのに県知事表彰や市長表敬なんかがあるの?」先輩の
ベテラン記者に電話で質問をされて、思わず「あなたたちのせいですよ」と言っ
てしまった。

 振り返って見れば、本戦前の練習マッチでことごとくボロボロの試合を見せて、
一億総スカン状態を作ったかと思うと、突如、戦術を守備重視に変更、見事
な守りで予選リーグ第一試合をものにして、一億層懺悔。二戦目も必死に1
点を取りにいく攻撃性を見せ、決勝トーナメント進出がかかる第三戦で一億総
サポーター状態に陥れた。

 まさに岡田の掌中に我々の一喜一憂はあったようだ。 勝ち進めば、いつか
本当の日本サッカーの姿が見えてくるはずだ。だから最後まで応援しようと、俊
輔登場を待ちに待った。しかし、眠い体に鞭打って迎えたのはPK決着。

  裁定は下った。その瞬間、日本のサッカーは完全な敗北を喫したことに気が
ついていたのは、岡田だけかもしれない。負けたにもかかわらず、悔しさを飲み
込んで、良くここまで戦ってくれたと一億総感謝が訪れた。

 しかし冷静に考えれば、決勝トーナメント初戦敗退である。パラグアイから一
点も奪えず、である。オシムが提唱した日本人でなければできないサッカーは、
果たして出現したのであろうか?

 守りに徹すれば、接戦を演ずることができることは周知の事実だ。オシムは、
パラグアイとの120分間の闘いを「サッカーファンではない人の目を開かせる戦い
だった」と言ったそうだが、それはサッカーを知っていれば、守備重視がもたらす結
果は自明。サッカーが分からない人には面白かっただろう。という皮肉なのだ。

 そういう結果至上主義ではなくてスピードと知性ある攻撃によってゴールを奪
うサッカーを世界に見せることが2006年から四年間で実現すべきものであったは
ずだと。

 チーム一丸となって戦った団結心だけが拍手喝采を浴びている。が、それは
勝つための必要不可欠の第一条であり、いわば当たり前のこと。岡田ジャパン
は当たり前のことしかなかったチームなのか?

 決勝を勝ち進むべき「鍵は『単独者』俊輔が握っていた」。それまで自分中
心に作られてきたチームの軸から突如外され、団結心を詠う空気を壊すわけ
にもいかず、只管サポーターに徹しなければならない天才の孤独がどれほどの
ものか、一人でもその姿に思いを馳せた知者がいただろうか?岡田の口から彼
への感謝の言葉は聞かれたのだろうか?

 例えば、昨年のベースボールクラッシクでイチローは絶不調だったが、そのイチ
ローをもし外したとして、イチローがチームのために尽くしたとしたら、原は最初
にイチローに感謝の言葉を述べただろう。そして一億そう思っただろう。実際に
は最後まで使いきったイチローが逆転劇をもたらした。

  団結心に支えられてマスコミの関心を呼ぶレギュラーたちより、最も高い技術
と能力を持ちながら、チームの空気に息を潜めていた孤独な戦士に私は日本
のサッカーの未来があると思うのである。

                                                                          (敬称略) 
              
  2010.7.7      
                                    明日香 羊 

この記事について

このページは、Genki_na_Atelierが2010年7月 8日 05:46に書いた記事です。

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